今日の日記

2001年7月20日
スーパーなんかの試食コーナー。プリンやゼリーなど、美味しい思いを何回かしたチビは、試食と見ると、飛んでいく。

私はなるべく近寄らないようにしている。試食してしまうと、買わずに立ち去るのが後ろめたくて、つい買わなくいいものを買ってしまったりするのだ。

しかし、チビが何回も試食をねだったり、勝手に取ろうとしたりする時はしょうがないので側によって止めさせる。すると、「お母さんもどうぞ〜。」ってことになってしまう。ヤレヤレ。

そういう時、2号のぶんもくれるんだけど、2号はアレルギーがあるので、大抵私がこっそり自分の口に放り込む。いちいち説明するのもめんどくさいし。

ところがそれをめざとく見ていて、「これはおちびちゃんのぶん。」などと言って直接渡そうとしてくれる人もいるのだ。しょーがないので、「アレルギーがありますので。」などと言って断る。

そういう時の販売員さんの対応は様々。一言謝ってあっさり引いてくれる人。自分の子供がアトピーだったりして、体験談を語ってくれる人。

色々だけど、特別不快に思ったことはなかった。
でも。

ケーキをすすめてくれた販売員のおじさん。卵がダメなので...と断ると、

「そうかー。それはかわいそうだねー。」

2号の顔をのぞきこみながら繰り返して言う。

「ねー。かわいそうだねー。」

言葉の分からない2号はにこにこして「うんあうんあ。」と彼語で相槌をうってる。おじさん破顔一笑、「ボクは可愛いね〜。」

私も笑いながらにこやかにその場を去った。商品を購入して。

でも。ほんとはとても怒っていたのだ。

かわいそうだと。かわいそうだと言った。転んで泣いてるわけじゃないのだ。この子はこれがナチュラルな状態なんだよ。自然な状態なのに。かわいそうだと。

たかが卵が食べられないことがなんでそんなにかわいそうなんだ。その美味しさを知って、それで食べられないのなら、可哀想かもしれない。でも食べた事がないんだよ。味をしらないんだから。かわいそうなんてのは、他人の勝手な思い込みだ。

...何をそんなに怒ってるんだろう。単なる通りすがりの人の言葉に。別にあの人はなんにも考えちゃいないだろう。美味しいものが食べられないと聞いて、かわいそうと思うのは極自然なことじゃないか。思ったことをそのまま口にしただけだ。いや、思ってすらいないかもしれない。「暑いですね。」「嫌ですね。」ぐらいのお決まり文句。

今までもそう言われたことはあったのに。今回に限ってなんでこんなに腹が立つのだ。

...この子に直接言ったからだ。顔を覗き込んで、かわいそうだと、この子に直接言ったからだ。しかもまったく心のこもってない、ポーズとしての言葉で。

<あなたはかわいそうな人だ> そう言われて嬉しい人間なんているんだろうか。


私は嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。


かわいそうだなんて、軽軽しく言わないで下さい。



コメント