恐怖の包丁男!

2001年7月19日
お昼時、ピンポーン、とチャイムが鳴った。うちはインターホンで会話できるようになってないので、いちいち玄関へ行って覗き窓から確かめないといけない。(いちいちというほど距離はないが(笑))

知らない年配の男性が立っている。

「はーい、なんの御用ですかー?」

繰り返し戸ごしに声をかけるが返事がない。
こりゃ関わらん方がいい。無視だ、無視。

新聞受けを通してなんか異様な臭いがする。アルコールとなんかの薬品が混じったような、なんともいえない...って、このおっさん! 先月来た変なおっさんやないか!!

...先月、ちょうど外出しようと戸を開けたところ、この異様な臭いのするおっさんに出くわしたのだ。なんとういうか、微妙に挙動不審。何をするでもなく、階段の踊り場でうろうろしている。
気持ち悪いので、玄関を掃除する振りして、おっさんの行動を監視した。

おっさん、こちらを少し気にしながら、階段をゆっくり登り始める。
何をしてるんだろう?
ゆっくり、ゆっくり、最上階まで足をひきずるようにして登っていくと、またゆっくり降りてきて、そのまま外へ出て行った。

大きなかばんを抱えている。...って、かばんの口からはみ出ているあれは!! ひらべったくて細長い箱が数箱...。おいおい、どーみても包丁の箱だぞ、あれは。なんでそんなもん持ち歩いてるんだ、見間違いか!?

最近、物騒な事件が多いし、気になって後をつけてみた。するとおっさん、うちの団地の各階段を順番に登って行ってる。
なにやってんだ? 時々インターホンを押してるようだけど...。なんかのセールスかな? それにしちゃあ、あまりにアヤシイ。謎だ。

とりあえず、その時は謎のまま、団地を徘徊してるおっさんをそのまま見送ったのだが...。間違いない、あのおっさんだ。

あ、あきらめてお向かいさんの方へ向いたぞ。あ!あ! お向かいさんドア開けちゃったよー!!

「どうも〜!奥さん〜!!」

うわぁ、結構大きな声だ。あの風体からは想像つかん。

「いやあね、奥さん、僕こうやってくるとね、みんな悪い人来たなぁって思うんですよ。全然違うから。ね。 包丁研ぐんですよ。ピカピカ。ね。奥さん。〜うんたらかんたら(とくとくと話し続ける)〜」

おいおい、ろれつまわってないよ。意味不明だよ。

「どんな包丁でもすぱすぱ切れるようになるから。ちょっと見てみる?これ。 さわってみてよ。」

...ッギャーッ!! 例のかばんの箱、やっぱり包丁だったよっ!! ああっ!! 包丁ひらひらさせてるッ。

うわっうわっどうしたらいいんだ。これは包丁とぎのセールスなのか? 押し売りなのか? あの包丁は見本以上の意味はあるのかーーーッ!?

覗き窓ごしにパニックになる私。お向かいの奥さんも笑顔で応対してるけど、どうやって断ろうか困惑気味なのが伝わってくる。

ああ。こわいよこわいよ。玄関であんな包丁出されたら、脅しの意図がなくても怖いよ。どうしよう。
客を装ってセールスを中断させるか。でもお向かいさんとはあんまり親しくないんだよなぁ。阿吽の呼吸が分からんっ。

うーん うーん。 よし、時間を決めよう。10分たっても出て行かないようだったら、なんらかのアクションを起そう。
ドキドキしながら様子を伺う。

...どーにかこーにか下手な行動起さずにすみました。きっかり10分で、おっさん出て行きました。ふう。

最終的に何もとりつけずに出て行った所をみると、押し売りの意図があったわけでもないんでしょうか? しかしあの包丁ひらひらは反則だ。脅迫だ。異界の人だー(>_<)

...いずれにせよ、玄関戸の向こうで隣人がこんなにやきもきしてるとはお向かいさんは全く知らないわけですが。小心者の一人相撲(笑)


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